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今さら聞けない「遺言書とは?」遺言書を書いておいた方が良いケース5選

「遺言書を書いたらどうなるのかな」
「自分に遺言書は必要?」
「遺言書の注意点を聞きたい!」

こんなお悩みを解決します。

本記事を書いている私は、令和元年に行政書士として独立しました。独立前は介護施設に勤務していた経験があり、開業当初から相続・遺言・成年後見に力を入れています。

この記事では、遺言書について分かりやすく解説していますので、自分に遺言書が必要かどうか判断することができます。

それでは、遺言書について解説していきます。

遺言書とは?

遺言書とは、自分が亡くなったあとの遺産相続など、法律に基づくことを書いたものです。

例えば、法律で決められている配分ではなくて、「土地・建物は長男に、預金は長女に」といったように、自分の好きなように具体的に遺産相続を書いておくとほぼ希望通りの結果になります。

なぜなら、遺言書は民法という法律に基づいて強制する力があるからです。

この遺言書には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言、があります。
主に利用されているのが、自筆証書遺言と公正証書遺言です。

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①自筆証書遺言

自筆証書遺言は、字の通り遺言書の内容をすべて自筆で書き押印をするものです。
法律が変わり、財産目録のみパソコン等でもOKとされています。

自筆証書遺言のメリットとして、いつでもどこでも作成することができ、お金が掛からないことが挙げられます。

ただ、偽装や紛失の心配や、「検認」という手続きをしないと遺言書を開封できないので、スムーズに相続手続きができないというデメリットもあります。

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ワンポイント
2020年7月10日から、自筆証書遺言を法務局に預けることができる「遺言書保管制度」が始まりました。遺言書保管制度を利用することで、上記の自筆証書遺言のデメリットを軽減したり解消したりすることができ、円滑に相続手続きを進めるうえで便利な役割も果たしてくれます。

②公正証書遺言

公正証書遺言は、2名以上の証人の立会いのもと、遺言の内容を公証人(法律のスペシャリスト)に口頭で述べて、公証人が遺言書を作成します。

デメリットしては、2名以上の証人が必要であり、証人や公証役場へ支払う費用が掛かります。専門家に依頼すれば、専門家へ支払う費用もプラスされます。

ただ、公正証書遺言には大きなメリットとして、偽装や紛失の心配がなく無効になることがほぼないことが挙げられます。
また、検認の必要がないのですぐに相続手続きを開始することができます。

遺言書の効果

では、遺言書を書いておくとどのような効果があるのでしょうか?
それは、下記のように4点があります。

① 相続人のうちの1人にだけ相続できる
② 相続人以外に遺産を渡せる
③ 相続人全員からの実印が要らない
④ 何度も書き換えることができる

①1人にだけ相続できる

遺産を分けるときの目安として、「法定相続分」というものが法律で決まっています。
遺言書には、この法定相続分を無視して、自分の相続したい人にだけ遺産を残すことを指定することできます。

といっても、遺留分(相続人が最低限もらえる遺産のこと)というものが存在するので、遺言書を作成するときに大変悩まれる方が多いです。

しかし私個人的には、遺留分を請求するかしないかは分からないので、まずは自分がどうしたいのか?を大事にして遺言書を作った方が良いと思います。

まず遺言書を作ってみて、そのあとに「ここは遺留分を請求しそうだな・・だったら、この分はこうしておこう」という作り方をおすすめしています。

②相続人以外に遺産を残せる

自分の遺産を相続人ではなくて、施設に寄付をしたり、良くしてくれた友人に渡すことが可能です。

③相続人全員からの実印が不要

これが、遺言書を作る最大のメリットだと思っています。

遺言書がなくて相続手続きをする場合、遺産をどう分けるかを話し合い、話し合ったことをもとに協議書を作り、相続人全員の実印と印鑑証明書を添付する必要があります。

ここで揉めたり話がまとまらないと、相続手続き進めることはできません。
でも遺言書があれば、遺言書1つで手続きをすることが可能なのでとてもスムーズです。

④何度も書き換えることが可能

遺言書は、自筆証書遺言でも公正証書遺言でも書き換えることができます。
よく、「一度書いたら確定する」と勘違いされる方もおられますが、そんなことはありません。
2年に1度、5年に1度・・と状況に合わせて作り直してもOKです。

遺言書が必要な人TOP5

それではここで、遺言書を書いておいた方がいい人をご案内します。
それは次の5ケースです。

① 子供がいない夫婦
② 子供が多い(音信不通、疎遠)
③ おひとりさま
④ 複雑な家族関係(内縁、離婚)
⑤ 1人だけが介護をしている

①子供がいない夫婦

子供のいない夫婦のどちらかが亡くなり、相続手続きをする場合、亡くなった人の兄弟姉妹から印鑑を集める必要があります。これはものすごく大変な作業です。

そこで、「私が亡くなったら遺産を配偶者に・・」とお互いに書いておけば、兄弟姉妹の印鑑を集めることなくスムーズに相続手続きをすることが可能です。

②子供が多い

子供の中で、音信不通や疎遠になっている子がいれば、遺言書を作っておいた方が良いと思います。

遺産分割協議の呼びかけに対して、パッと集まることができるのか?実印や印鑑証明書を持ってきてくれるのか?等といった問題が出てくる可能性が非常に高いからです。

電話しても来てくれない、ましてや何処にいるのか分からない・・ということであれば、遺言書を作っておくことをおススメします。
遺言書があれば、協力してくれなくても手続きを進めることができます。

③おひとりさま

配偶者も子供も兄弟姉妹も親もいない「おひとりさま」の場合、遺産はすべて国に帰属されます。

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自分が亡くなったあと、「誰かが相続財産管理人を選んだり・・国庫に帰属したり・・」ということをさせないためには、遺言書を作成することが最善の対策です。

④複雑な家族環境

別のケースでも言えることですが、連絡を取っていない子供がいる場合は、遺産分割協議や実印・印鑑証明書をもらうことが困難かもしれません。

スムーズに手続きができない可能性があるなら、遺言書をおススメします。

⑤1人だけが介護している

たとえば長男長女がいて、「長男家族だけが親の介護をしていて、長女は数年以上実家に帰って来ない」という2人に残す遺産が同じだと、バランスが悪いですよね?

そこで、法定相続分以外の割合で相続させたい場合、遺言書を作成するとそれが可能です。

まとめ

今日は遺言書について解説していきました。
大事なポイントをまとめると、次のとおりです。

・遺言書とは、自分が亡くなったあとの遺産相続など、法律に基づくことを書いたもの
・遺言書を作っておくと、相続人全員の実印と印鑑証明書が不要
・遺産分割協議の呼びかけに対して、相続人がすぐ集まれるかどうかが作成基準

当事務所では、後見・相続・遺言書についてのご相談は、初回無料としております。ご相談は、下記からお願いいたします。

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