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10.82023
成年後見人とは?成年後見の種類や成年後見人のお仕事を解説

「1人暮らしなので、将来のことが不安」
「遠方に住んでいる両親のことが心配・・」
こんなお悩みを解決します。
本記事を書いている私は、令和元年に行政書士として独立しました。独立前は介護施設に勤務していた経験があり、開業当初から相続・遺言・成年後見に力を入れています。
この記事では、成年後見人について分かりやすく解説していますので、自分や大事な人の将来を心配している方のお役立ち情報になるかと思います。
それでは、成年後見人について解説していきます。
成年後見制度とは?

成年後見制度とは、判断能力が不十分な人の生活をサポートする制度です。
たとえば、「物を買ったらお金を払わないといけない」「ここにサインをしたら、自分の家が他の人の物になってしまう」などと判断できれば問題ありませんが、認知症や知的障害などによって、この判断能力が不十分になってしまうと、その人たちは思いがけない損をするかもしれません。
自分の家を安く売ってしまったり、タダ同然の物を高い値段で買わされたり・・などです。
家族がこのような契約を知り、無かったことにしようと思っても、それは簡単なことではありません。
そこで、「判断能力がない」ということを裁判所に確認してもらい手続きをしておけば、このような契約を無条件で取り消すことができるのです。
この他にも、「通帳をすぐなくしてしまい、お金の管理ができない」「老人ホームに入りたいけど手続きができない」などの問題も出てきます。
そこで、後見人が本人の代わりにサポートして、それらの問題を解決するのです。
つまり、「取消」で財産を守り、「代理」で必要な手続きをして、判断能力が十分でない人の生活を支援するのが成年後見制度です。
成年後見の種類

成年後見には、①法定後見と②任意後見の2種類があります。
法定後見には、さらに(1)後見、(2)補佐、(3)補助、と本人の判断能力の程度に応じて三類型が存在します。
ここでは、①法定後見と②任意後見の違いについて解説していきます。
この二つの使い方を簡単に説明すると、すでに判断能力が低下している人が使うのが「法定後見制度」。今は判断能力はしっかりしているけど、将来、判断能力が低下したときのために準備するのが「任意後見制度」です。
法定後見は、ある人が認知症等で判断能力が低下したときに、その家族等が家庭裁判所で手続きをして認められると成年後見人が選ばれます。
成年後見人として選ばれる人は、本人の家族や知っている人を希望したとしても、希望通りにいくかは分かりません。
裁判所が選んだ弁護士や司法書士、社会福祉士がなることが多いです。
一方で任意後見は、「任意後見契約」という契約を結べば、本人やその家族が望んでいる人を後見人にすることが可能です。
つまり、任意後見は法定後見よりも、本人や家族の意向を表しやすい制度となっています。
後見人は何をする?

成年後見人等は、本人の財産に関する業務と身上保護(ご本人が安心して生活ができるように環境を整えること)業務があります。
成年後見人等は、大きな権限を持つことになります。
その権限はもちろん、本人のために使わなければならず、本人の財産を消費することなく本人のために守る必要があります。
また、何より大切なのは本人の意思を尊重して、本人の心身(こころとからだ)の状態と生活の状況を気遣う義務があります。
ここで、主な業務である身上保護と財産管理の例をご紹介します。
・病院等の受診、医療・入院等に関する契約、費用の支払い
・本人の住居に関する契約や支払い
・本人の住居の維持、快適な住環境を保つための状況確認
・福祉施設等の入退所、通所に関する契約、費用の支払い
・福祉施設等を決定するための情報収集ならびに本人の意思確認など・・・
・年金、賃料その他の収入の受取や管理
・金融機関との取引
・日常生活での金銭管理
・本人に必要な生活用品の購入など・・・
まとめ
今回は、後見制度について解説していきました。
大事なポイントをまとめると、次のとおりです。
・成年後見には、①法定後見と②任意後見の2種類がある
・成年後見人等には、本人の意思を尊重して本人の心身(こころとからだ)の状態と生活の状況を気遣う義務がある
当事務所では、後見・相続・遺言書についてのご相談は、初回無料としております。ご相談は、下記からお願いいたします。

