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1.172023
生命保険金は相続財産になる? 相続するときの注意点を解説します

生命保険は相続財産になる?
受取人が先に死亡したらどうなるのかな・・
とお悩みではないですか?
この記事では、生命保険金の相続について解説してありますので、生命保険金が相続財産になるのか、相続手続きをする際の注意点等が分かります。
後見・相続・遺言書作成を主な業務とする行政書士の私が、生命保険の相続について説明いたします。
保険の基礎知識

保険は、公的保険と民間保険の2つに分類されます。
公的保険とは、たとえば国民年金・厚生年金や国民健康保険、介護保険などです。
その立場にいる人は、強制加入といって必ず加入しなければいけません。
民間保険は、自分たちが必要に応じて契約するもので、任意加入になります。
たとえば、生命保険や医療保険、自動車保険などがこれに当たります。
これらの保険に入っている方は分かると思いますが、保障の内容は、自分たちで自由に決めることができます。
健康状態や職業による制限があるのが、民間保険の特徴でもあります。
民間保険は、下記のように大きく分けて3つに分類されます。
②医療保険・・・病気、ケガ等に対し
③損害保険・・・事故に対して
亡くなったり病気をしたり車の事故を起こしたり・・など、事故が起きると、それぞれの保険金が支払われます。
ここで、保険で登場する人物を紹介します。
契約者 | 被保険者 | 受取人 |
保険会社と契約を結ぶ人 | 保険事故の対象となる人(保険を掛けられている人) | 保険金を受け取る人 |
保険金を払う人や受け取る人・受け取り方で、相続手続き、とくに税金関係に違いがでてきます。
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次の章でご説明いたします。
生命保険金の相続について

生命保険金は、民法上では相続財産ではなくて受取人の固有の財産になります。
なので、遺産分割の対象にはなりません。また、「受取人の固有の財産」という考え方なので、相続放棄をしても生命保険金を受け取ることができます。
「相続財産ではないなら、税金は掛からないのでは?」と思うかもしれませんが、生命保険金には相続税が掛かります。
相続財産ではないのに、相続税が掛かるなんて不思議ですよね。
実は、生命保険金は、民法上では相続財産ではありませんが、税法上では相続財産とみなされるのです。
生命保険金を受け取ったときの税金は、下表のように「誰が誰のお金を受取ったか?」で変わってきます。
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 事由 | 税負担者 | 税金 |
---|---|---|---|---|---|
夫 | 夫 | 夫 | 生存満期 | 夫 | 一時所得 |
夫 | 夫 | 夫 | 死亡 | 受取人の相続人 | 相続税 |
夫 | 妻 | 夫 | 生存満期 | 夫 | 一時所得 |
夫 | 妻 | 夫 | 死亡 | 夫 | 一時所得 |
夫 | 夫 | 妻 | 生存満期 | 妻 | 贈与税 |
夫 | 夫 | 妻 | 死亡 | 妻 | 相続税 |
夫 | 妻 | 妻 | 生存満期 | 妻 | 贈与税 |
夫 | 夫 | 妻 | 死亡 | 受取人(妻)の相続人 | 夫・・一時所得 子・・贈与税 |
夫 | 妻 | 子 | 生存満期 | 子 | 贈与税 |
夫 | 妻 | 子 | 死亡 | 子 | 贈与税 |
受取人が先に死亡した場合

受取人が先に亡くなった場合、その時点で受取人を変更する手続きが必要です。
しかし、その変更手続きを忘れていた場合、だれが生命保険金を受け取るのでしょうか?
それは、受取人の法定相続人です。
受取人の法定相続人は、生命保険金を受け取る「権利」を持つことになります。
受取人の変更を忘れてしまうと、本来受取って欲しい人にお金が渡らない場合があるので、忘れずに変更手続きを行いたいところです。
ここで、生命保険金の分け方について注意点があります。
受取人が先に死亡した場合、生命保険金は受取人の相続人全員で分けることになりますが、分け方は均等の割合です。
相続財産は、民法という法律で「法定相続分」というのが決まっています。
法定相続分とは、法律上決められた遺産の分け前のことです。
たとえば、相続人が配偶者と子2人いた場合の法定相続分は、下記のようになります。
長男・・1/4
次男・・1/4
生命保険金は、この分け方ではなくて下記のように均等割りになります。
長男・・1/3
次男・・1/3
まとめ
今回は、生命保険金の相続について解説していきました。
大事なポイントは下記の通りです。
・生命保険金は、民法上では相続財産ではなくて受取人の固有の財産になる
・受取人が先に死亡した場合、生命保険金は受取人の相続人全員で分ける
当事務所では、後見・相続・遺言書についてのご相談は、初回無料としております。ご相談は、下記からお願いいたします。

