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4.152021
就労継続支援A型事業所を運営したいと思ったときにまず準備すること

就労継続支援A型事業所を申請したいけど、まず何をしたら良いのかな?
要件や資格はどんなの?
流れを知りたい
そんな方へ、今回は障害福祉サービス施設指定申請をする前の準備段階をまとめてみました。
これを読むと、まずは何をすべきか?が分かって障害福祉サービス施設指定申請に近づけますよ!
この記事を書いている私は、令和元年11月に熊本県八代市で行政書士江尻有希事務所を開業しました。
開業当初から、障害者福祉施設業務に力を入れています。
そんな私が、就労継続支援A型事業所について解説していきます。
就労継続支援A型事業所を運営するには、法人格と箱と人が必須
就労継続支援A型事業所を運営するには、法人格であることのほかに、申請書を作成する前に準備すべきことがあります。
それが、設備と人員の確保です。
設備と人員の確保ができて初めて障害者を受け入れることができ、利用者が安心して就業することができます。
では、この設備と人員にはどんな基準があるのでしょうか?
まずは設備に関する条文と基準がこちらです。
188条 指定就労継続支援A型事業所は、訓練・作業室、洗面所、便所及び多目的室その他運営上必要な設備を設けなければならない。
設備基準
訓練・作業室 | 訓練または作業に支障がない広さを有し、必要な機械・器具などをそろえること |
相談室 | 間仕切りなどを設けること |
洗面所・便所 | 利用者の特性に応じたものであること |
その他 | 多目的室・その他、運営に必要な設備 |
申請書を提出する前の段階で、建築基準担当部署と消防法担当部署との協議がわれます。
利用者が安心して就業するためにはとても大事なことなので、ここが一番の難関です。
少しでも不安がある場合は、専門家に相談するか事前に申請先へ確認すると申請がスムーズに進みます。
人員基準
次に、人員の要件です。
介護施設、建設業、宅建業など他の業種と同じで、必ず配置しなければならない人員があります。
それが次の4人です。
- 職業訓練指導者
- 生活指導員
- サービス管理者
- 管理者
就労継続支援A型事業所を運営するにあたり、職業指導員・生活指導員・サービス管理責任者・管理者にはどんな要件があって、何人必要なのか?それぞれの仕事内容はどういうものなのでしょうか?
下記にまとめてみました。
職業指導員 | ①資格・・必要なし ②人数・・1人 ③仕事内容・・社会生活ができるような技術を指導する(職業指導) |
生活指導員 | ①資格・・必要なし ②人数・・1人 ③仕事内容・・知識及び能力向上のための訓練をしながら、一般就労への移行までをサポートする |
サービス管理責任者 | ①資格・・必要 ②人数・・1人 ③仕事内容・・(ⅰ)利用者やその他関係者と面談を行いながら、利用者の支援計画を作成する (ⅱ)関係機関と連携して利用者のより良いサービスを提供し、調整する |
管理者 | ①資格・・必要 ②人数・・1人 ③仕事内容・・従業員の管理、利用の申し込みに係る調整、その他事業所の管理などを行う |
管理者は、管理業務に支障がない場合は兼務で申請しても問題ありません。
なので、利用者数が最低人数なら、3名の人員を確保できれば運営することができます。
職業訓練指導員と生活指導員は資格は不要ですが、福祉関係に携わったことがあるのか?どうしてこの職業を選んだのか?などを面接でしっかりと聞いておいた方が良いと思います。
どんな仕事もそうですが、入社した後に「思っていた仕事と違った。」「思ったより利用者と接するのが大変だった」と1カ月も経たないうちに退職してしまうケースが多いようです。
すぐに人員が欠けてしまっては、せっかく申請が下りて運営を開始しても休業を余儀なくされてしまうし、何といっても利用者が不安になってしまうので慎重に人員を確保して欲しいところです。
中心的存在のサービス管理責任者(サビ管)の資格要件
人員要件の一つである、サービス管理責任者の資格要件をご紹介します。
この資格要件は2019年度に変更されました。
新たな研修制度を確認して、サービス管理責任者(サビ管)を配置してください。
〇直接支援業務8年
〇社会福祉主事任用資格所有者、介護職員初任者研修修了者、保育士、児童指導員任用資格者、精神障害者社会復帰指導員任用資格者は5年
〇国家資格等の業務に従事して1年
+
+
〇サービス管理責任者等研修(15H)
+
〇過去5年間に2年以上の相談支援または直接支援業務の実務経験
〇サービス管理責任者等実践研修(14.5h)
+
〇過去5年間に2年以上のサービス管理責任者等の実務経験がある、または現在サービス管理責任者として従事
〇サービス管理責任者等更新研修(13h)※2024年までは6時間程度に短縮可能
まとめ
障害者の人数は年々増加していて、それに伴い障害者福祉施設も増えています。
ただ、せっかく指定申請の許可が下りても、事業開始後の事業計画が曖昧だと経営を継続できなくなる可能性もあります。
障がい者が住みやすい環境を作って、かつ、事業を長く継続させるためには、指定申請作成はもちろん事業開始後の収支計画も重要になってきます。
障害福祉サービス施設指定申請と運営後のサポートは、お気軽にお問い合わせくださいませ。