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4.32021
会社の設立・運営の基礎知識!【費用・流れ・必要書類をかんたん解説】

「会社を作りたい」「会社設立の費用や流れ、必要な書類を知りたい」
そんな悩みにお答えします。
この記事を読むと、会社設立の必要な手続きや会社運営の流れをイメージできます。
この記事を書いている私は、令和元年11月に熊本県八代市で行政書士として独立開業し、開業当初から創業支援(会社設立・融資・補助金)に力を入れています。
そんな私が、これまでの経験を踏まえ会社設立についてお伝えしていきます。
会社のメリット
起業をするときに、個人事業と会社で迷われる方が多いです。
どちらでも物やサービスを提供できるので、「2つの違いがよく分からない」という理由があるからでしょう。
個人事業と会社には税制に違いがあり、会社の最大のメリットは、節税対策です。
どちらでも税金が発生しますが、個人事業の場合、所得が増えるほど税率が高くなります。
一方で会社の場合は、所得が一定額を超えると税率が一定になるのです。
一般的に収入が700~1000万円を超えると、個人事業よりも会社の方が税金面で有利になるので、最初から安定した売上が見込める場合や、既に個人事業として事業をスタートされている方でも、会社化するタイミングの目安にすると良いでしょう。
節税対策以外にも、①社会的信用が高い、②融資を受けやすくなる、③経費の範囲が広がる、などのメリットがあります。
ただし、下記のようなデメリットもあるので注意しましょう。
- 30万程度の設立費用が掛かる
- 社会保険や会計事務所などのコストや、事務負担が増える
- 赤字でも年間7万円の税金がかかる
会社化のメリットの一つである「節税対策」は、とても魅力的ですが、デメリットも0ではありません。
長く事業をやっていくために、始めの段階からしっかり考えて、計画的に進めていきましょう。
税理士や行政書士など、専門家に相談するのも良いでしょう。
費用や流れ、必要書類
会社設立をする時は、まず具体的な会社のイメージを固めていくと良いでしょう。
株式会社や合同会社など、①会社の種類は何にするか?②資本金をいくらにするか?③自分のサービスと市場、競合はどうか?④場所はどこでするか?など、一つずつイメージしていきましょう。
会社の種類に関しては、最近では「合同会社」で会社を作る人も増えています。
株式会社の設立日は、法務局に設立登記申請書を提出した日になります。
会社設立で特に時間が掛かるのは、定款を作る作業です。
「この日に設立したい」といった希望があるなら、設立予定日から逆算してスケジュールを立てましょう。
不慣れな手続きをスムーズにこなすために、下記の「設立までの流れ」を頭に入れておくと良いでしょう。
①手続きの準備 |
設立メンバーとなる発起人を決める 会社の目的、会社名、事業内容、所在地、資本金などを決める 代表者や会社名が決まったら、代表社印・銀行印・角印などを作る |
②定款をつくる |
会社の基本ルールになる定款をつくる 公証役場で、定款の認証を受ける |
③資本金の払い込み |
代表者の個人口座に資本金を払い込む |
④登記申請 |
法務局に設立登記申請書を申請する 登記が完了したら、登記事項証明書を取得する |
⑤税金、社会保険関係の届出 |
税金関係や社会保険関係の届出を行う ※設立から届出までに期限があるものもある |
会社設立の手続きを、すべて自分で行うことは可能です。
しかし、設立手続きには面倒な作業が多く、本業の準備と同時進行で行うと時間と手間がかかります。
専門家に任せると、1日から数週間で手続きを終えてくれる時間的なメリットの他に、収入印紙代の4万円が要らない、という大きなメリットもあります。
自分で設立する場合 | 専門家に依頼する場合 | |
定款の認証代 | 52,000円以上 | 52,000円以上 |
定款の収入印紙代 | 40,000円 | 0円(電子認証) |
登録免許税 | 150,000円 | 150,000円 |
代行手数料 | 0円 | 専門家により異なる |
代行手数料が40,000円以下だと、自分で設立する場合よりも安くすみます。
会社設立後の手続き
提出期限があるものもあるので、会社設立が終わったからといって安心せずに、下記の手続きを忘れずに行いましょう。
提出先 | 提出書類 | 提出期限 |
税務署 | 法人設立届出書 | 会社設立日から2ヵ月以内 |
税務署 | 青色申告の承認申請書 | 会社設立日から3ヵ月以内 |
税務署 | 給与支払い事務所等の開設届出書 | 事務所開設の日から1ヵ月以内 |
税務署 | 源泉所得税の納税の特例の承認に関する申請書 | 特例を受けようとする月の前月末 |
都道府県税事務所 | 法人設立届出書 | 会社設立日から1ヵ月以内 |
市区町村役場 | 法人設立届出書 | 会社設立日から1ヵ月以内 |
労働基準監督署 | 適用事業申告 | 従業員を使用するようになったとき |
労働基準監督署 | 就業規則届 | 常時10人以上の従業員を使用するようになったとき |
労働基準監督署 | 労働保険関係設立届 | 労働保険関係が成立した日の翌日から10日以内 |
労働基準監督署 | 労働保険概算保険料申告書 | 会社設立の日から50日以内 |
労働基準監督署 | 時間外労働・休日労働に関する協定届 | 時間外・休日労働をさせるとき |
公共職業安定所 | 雇用保険適用事業所設置届 | 雇用保険適用事業所となって日の翌日から10日以内 |
公共職業安定所 | 雇用保険被保険者資格取得届 | 雇用保険適用事業所となって日の翌日から10日以内 |
社会保険事務所 | 健康保険・厚生年金保険新規適用届 | 会社設立後5日以内 |
社会保険事務所 | 新規適用事業書現況書 | 会社設立後5日以内 |
社会保険事務所 | 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 | 会社設立後5日以内 |
社会保険事務所 | 健康保険被扶養者届 | 被保険者に扶養者いる場合 |
まとめ
今日は、会社設立について解説しました。
大事なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 一般的に収入が700~1000万円を超えると、会社の方がおトク
- 代行手数料が40,000円以下だと、自分で設立する場合よりも安い
- 会社設立後にも必要な手続きがある
行政書士、税理士、社会保険労務士、司法書士など、会社設立前後で力になってくれる専門家はたくさんいます。
少しでも不安なことがあれば、相談しながら計画的に会社を設立しましょう!
