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8.182022
相続土地国庫帰属制度について

誰かが亡くなった場合、所有していた土地や建物の名義を、亡くなった方から遺産を引き継いだ方(相続人)へ変更する手続きを相続登記といいます。
この相続登記がされないと、所有者が分からない土地や所有者が分かったとしても、連絡が付かない土地や建物が出てきます。
いわゆる「所有者不明土地」ですね。
この所有者不明土地の割合は、国土交通省の調査によると24%もあるとのこと。
どうしてこんなに存在しているかというと、相続登記は義務ではなかったのでこの手続きをしなくても不利益を受けることはなかったのです。
他にも、日本は高齢化社会や人口減少などが問題になっていますが、とくに地方を中心に「土地の持ち主であるという意識」が薄くなっていることも原因としてあげられているようです。
所有者不明土地が増えると、所有者を探すのに時間と費用は掛かるし、土地が管理されずに放置されるわけですから、隣近所に悪影響を及ぼす可能性もありますね。
土地の利活用をするにも困難です。
そこで、令和3年4月に新しい法律が作られたのです。
この法律で、総合的な見直しが行われています。
新しい制度の1つとして、「相続土地国庫帰属制度」があります。
これは、相続などによって土地の所有権を取得した相続人が、土地を手放して国庫に帰属させることができる制度です。
が、誰でもどんな土地でも国庫に帰属できるわけはありません。
その土地に建物があったり、境界が明らかでない土地など、国庫帰属ができない土地もあるので注意です。
また、国庫に帰属させるには、法務大臣の承認を得る必要があり、10年分の負担金を支払う必要があります。
この負担金は、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した、10年分の土地管理費用と言われています。
※2022年8月31日追記
2023年(令和5年)4月27日施行予定の『相続土地国庫帰属制度』について、法務省は、「対象となる土地」や「申請者が国に納める負担金」について政令案を公表し、9月4日(日)まで、パブリックコメントを募集しています。
確定ではありませんが、目安が見えてきましたね。