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3.302021
中古品をネット販売する場合の古物商許可申請の必要書類や費用

「中古品を売るにはどんな許可がいるの?ネット販売もできる?」
そんな疑問にお答えします。
この記事を書いている私は、許認可申請のプロと言われる行政書士資格を取得後、2019年11月に行政書士江尻有希事務所を開業しました。
開業後、さまざまな許認可手続きの勉強をしています。
これまでの経験を踏まえて、古物商許可申請について解説していきます。
中古品販売には古物商許可が必要?
中古品を販売する場合、古物商許可申請をする必要があります。
だからと言って、中古なら何でも許可が必要という訳ではなく後述する「古物」に該当するものを取り扱う場合に許可が必要になります。
この「古物」という言葉は、法律にちゃんと定義されているのです。
一度使用された物品、もしくは、使用されない物品で使用のために取引されたもの、または、これらの物品に幾分の手入れをしたもの
古物営業法 第2条
分かりやすく説明すると次の通りです。
①一度使用したもの
②買ったけど使っていないもの
③これらの2つを補修、修理したもの
さらにこの古物は、13品目に分かれています。
1 | 美術品類 | 美術的価値をもっているもの(例:絵画、彫刻など) |
2 | 衣類 | 身に付けてまとうもの(例:洋服、帽子など) |
3 | 時計・宝飾品 | 身に付けて使用する飾りもの(例:時計、貴金属類など) |
4 | 自動車 | 本体とその部品(例:自動車、タイヤ、サイドミラーなど) |
5 | 自動二輪・原動機付自転車 | 本体とその部品(例:オートバイ、タイヤなど) |
6 | 自転車類 | 本体とその部品(例:自転車、サドルなど) |
7 | 写真機類 | プリズム、レンズ、反射鏡等を組み合わせて作ったもの(例:カメラ、望遠鏡など) |
8 | 事務機器類 | 計算、記録の能率を向上させるために使用されるもの(例:計算機、コピー機など) |
9 | 機械工具類 | 電気によって動くもの(例:スマートフォン、ゲーム機など) |
10 | 道具類 | 1~9、11~13以外のもの(例:家具、楽器など) |
11 | 皮革・ゴム製品 | 皮革やゴムで作られているもの(例:鞄、バッグなど) |
12 | 書籍 | 一般図書類(例:コミック、雑誌など) |
13 | 金券類 | 各券類(例:商品券、航空券など) |
これらに該当する物品を取り扱う場合には「古物商許可」が必要ですが、個人の不用品をオークションで売ったり、古物を買い取ってその部品を売る、など古物商許可が不要な場合もあります。
まずは、「古物なのか?」「古物営業にあたるのか?」をしっかり確認しましょう。
申請に必要な書類と費用
古物商許可を取得するための申請手数料は、19,000円です。
申請書類を警察署に書類を提出して、40日程度で許可不許可が決定されます。
営業開始日から逆算して、計画的に添付書類の収集などの準備を始めるとよいでしょう。
必要書類は次の通りです。
必要書類(個人の場合)
古物商許可申請書一式 | 下記からダウンロードが可能です |
誓約書 | 「未成年ではない」「犯罪をしたことがない」などの、欠格要件に当てはまらないことの証明になります |
略歴書 | 過去5年間の経歴を記入します ※申請者本人と管理者の分が必要 |
住民票 | 本籍が記載されているものを取得します ※申請者本人と管理者の分が必要 |
身分証明書 | 本籍地の市区町村役場で取得します ※申請者本人と管理者の分が必要 |
場合によって必要な書類 | ・営業所の賃貸借契約書のコピー ・使用承諾書 ・営業所の見取り図と周辺図 ・駐車スペースの資料 |
必要書類(法人の場合)
古物商許可申請書一式 | 下記からダウンロードが可能です |
誓約書 | 「未成年ではない」「犯罪をしたことがない」などの、欠格要件に当てはまらないことの証明になります |
略歴書 | 過去5年間の経歴を記入します ※申請者本人と管理者の分が必要 |
住民票 | 本籍が記載されているものを取得します ※申請者本人と管理者の分が必要 |
身分証明書 | 本籍地の市区町村役場で取得します ※申請者本人と管理者の分が必要 |
法人の登記事項証明書 | 法務局で取得します |
定款の写し | 定款をコピーしたあと、原本証明をしましょう※ |
場合によって必要な書類 | ・営業所の賃貸借契約書のコピー ・使用承諾書 ・営業所の見取り図と周辺図 ・駐車スペースの資料 |
※原本証明
定款コピーの最後に、下記の文章を書き印鑑を押します。
令和〇年〇月〇日
代表取締役 氏名〇〇 〇〇 印
誓約書、略歴書、住民票、身分証明書は、監査役を含む役員全員の分を用意する必要があります
ネット販売する場合、通常の申請と違いはある?
自分のホームページやサイトを使って中古品の売買をする場合は、古物許可申請をするときにそのホームページやウェブサイトのURLを証明する書類を提出する必要があります。
なりすまし防止のために、届け出たURLは都道府県公安委員会のホームページ上で公開されます。
URLを証明する書類とは、次のようなものがあります。
- プロバイダからホームページの割り当てを受けた通知書の写し
- ホームページ利用に関する契約書の写し
- フーイズ検索で出てきた自分の名前の箇所のコピー
まとめ
今回は、古物商許可申請について解説しました。
ポイントをまとめると次の通りです。
- 古物商許可が必要な物品は13品目
- 個人と法人の必要書類は若干の違いがある
- HPなどを利用する場合は、自分のURLを証明する必要がある
古物商許可申請は、要件はそこまで厳しくないものの必要書類がたくさんあります。
インターネットを使うとなると、さらに必要書類が増えます。
書類収集や申請書作成に時間が取れない場合は、行政書士に依頼するのも1つの手でしょう。