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認知症になったときの身の回りのことが心配!そんな時に役立つ後見人制度

頼れる親族がいないから将来が心配だ・・
認知症になったら財産管理はどうしよう?
信頼できる人に身の回りのことを任せたいな

と悩んでいませんか?

この記事を読むと、認知症になったときの財産管理などをサポートしてくれる後見制度について分かり、将来の心配が軽減されます。

遺言・相続を主要な業務とする行政書士が、後見人制度について分かりやすくご説明します。

成年後見制度とは?

成年後見制度とは、判断能力(自分のする行動の結果がどうなるのか?ある程度認識できる能力)が不足している方の、生活を支援する制度のことです。

どういった支援をするかというと、ご本人の財産を減らさないように安全に保ち、ご本人に代わって手続きを行うなどして生活を支援するのです。

このような制度ができた理由には、次のようなことがあります。

たとえば、『物を買ったらその代金を支払わなければいけない』ということを理解するだけの判断能力がないと、自分の家や土地を妥当ではない金額で売ってしまったり、ただ同然の品物を高い金額で買わされたり・・と損をしてしまいます。

また、意思能力がないと契約を結ぶことができません。
となると、必要な介護サービスを受けれないということになりかねません。

そこで、この成年後見制度が導入され、判断能力がない方の財産を安全に保って、後見人等が本人に代わって必要な手続きを行い、生活を支援していくのです。

成年後見制度には、既に判断能力が低下している場合にとる手段の法定後見制度と、判断能力がしっかりしているときに、自分の選んだ人に後見人になってもらう任意後見制度があります。

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後見人ができること

後見人の仕事には、大きく分けて2つあります。
それは、①財産の管理と②生活・介護に関することです。

財産の管理

後見人は、本人の財産を減少させず、安全に保ちながら管理する必要があります。

管理とは例えば、口座や現金を現金出納帳等で日々管理し、そこから本人のための支払いをしたり・・などです。

管理をしてくれると言っても、身内ではない後見人が、本当にお金を管理しているのか心配ですよね?判断能力がないからと、後見人が自己のために、勝手に自分の財産を使い込んでしまったら悔しくてたまりません。

そこで、家庭裁判所が後見人の業務を定期的にチェックするのです。
成年後見人が選任されたら、まず本人の財産を調査し年間の収支計画とともに、家庭裁判所に報告します。
この報告は、その後も定期的にしますので、後見人がきちんと財産管理をしているかチェックされます。

生活・介護に関すること

後見人は、本人にとって適切な生活環境を作ります。
たとえば、必要な介護契約を結んだり施設への入居契約を結んだり・・などです。

後見人は、とても大きな権限が与えられます。
もちろんその権限は、本人の意思を重視して、本人の心や体に配慮しながら使わなければいけないものです。

後見人の費用

成年後見人の報酬は、本人の財産から支払われます。

報酬は、月額で2万円から7万円程度が多いかと言われています。
支払は、原則後払いです。

1年程度ごとに、後見人がこれまでの後見業務の報告をした後に、年額で24万円から84万円を、財産から支払う必要があります。

報酬だけではなくて、後見業務を行うにあたって必要な費用、たとえば交通費や通信費・文書を作成する費用も本人の負担になります。

となると、資力がない人は成年後見制度を利用することができなくなります。
といっても、資力がないなら財産管理をする必要がないので、成年後見制度を利用する予定はないかもしれません。

が、福祉サービスや介護サービスの利用のために、この制度を利用する必要が出てくるかもしれませんよね。
そこで、成年後見人等の報酬・後見等の事務の費用の一部を補助する『成年後見制度利用支援事業』という制度が作られました。

『成年後見制度利用支援事業』とは、認知症などにより判断能力が不十分で、かつ、身寄りがないなど、親族などによる後見等開始の手続きができない方について、市区町村長が代わって申立てを行い、成年後見制度を利用する費用を支払うのが難しい人に対して、自治体が手続きにかかる費用や後見人等への報酬の助成を行う事業のことです。

まとめ

今回は、後見制度について解説しました。
大事なポイントをまとめると、次の通りです。

・成年後見制度とは、判断能力(自分のする行動の結果がどうなるのか?ある程度認識できる能力)が不足している方の、生活を支援する制度のこと
・後見人の仕事には、①財産の管理と②生活・介護に関することがある
・成年後見人の報酬は、本人の財産から支払われ

身の回りのことは、できるなら家族にしてもらいたいですよね。
でも家族が遠方だったり子どもがいない場合は、赤の他人に頼むしかないかもしれません。

どちらにせよ、自分の信頼できる人・好きな人に後見人になってもらいたい場合は、元気なうちに契約を結んでおくことです。

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