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障害福祉サービス事業を始めるのには初期費用が必要。資金調達の方法をご紹介

障害福祉サービス事業をするには初期費用が掛かるらしいが、どれくらい必要?資金調達の方法を知りたい!融資について解説してほしい!

こんなお悩みを解決します。

✔本記事の内容
・資金調達の方法
・障がい福祉サービス事業の初期費用
・日本政策金融公庫について

✔本記事の信頼性

本記事を書いている私は行政書士歴4年です。開業当初から障害福祉サービス事業の指定申請に力を入れており、就労継続支援A型・B型の開設を手掛けてきました。

今回は、障害福祉サービス事業をするための資金調達について、お話していきます。

これから障がい福祉サービス事業を始める方の中には、自己資金では足りずになかなか前に進まない方もいらっしゃるかと思います。しかし、資金調達の方法が分かれば、指定申請までに近づくことができます。

実際、自己資金が足りずに弊所に相談に来られたお客様は、資金調達の方法を知り、現在障害福祉サービス事業を行っています。

それでは、障害福祉サービス事業をするための資金調達について解説していきます。

資金調達の方法

資金調達には、一般的に使われるものとして融資や補助金・助成金等があります。
その中でも、初めて障がい福祉サービス事業を始める方におすすめの資金調達は、「融資」です。

補助金や助成金は、基本後払いになります。
つまり、自己資金で設備等を購入して、後から補助金や助成金のお金で補填する、という流れになります。

一方で融資は、先に手元にお金が入ってくるので、そのお金で設備等を購入することができます。

融資と一言で言っても、いろんな種類があります。

たとえば、政府系金融機関(政府によって設立された銀行)の日本政策金融公庫からの融資、信用保証協会(返済できなくなった場合、代わりに銀行に弁済してくれる)の保証付きの融資、銀行や信金からのプロパー融資(返済ができなくなるリスクを銀行が負う)、ノンバンク(消費者金融機関等)からの融資です。

その中で、初めて障がい福祉サービス事業を行う方におすすめの融資は、日本政策金融公庫からの融資です。

日本政策金融公庫には、「新創業融資制度」といものがあり、この制度は、新たに事業を始める人や創業して間もない人を対象としています。

創業して間もない事業者は、保証人や担保の準備ができない場合がほとんどです。
この新創業融資制度は、嬉しいことに保証人や担保がなくても融資を受けることができるのです。

なので、初めて障がい福祉サービス事業を行う方には、おすすめの資金調達方法だと思います。

日本政策金融公庫について

日本政策金融公庫とは、先にお話した通り政府によって設立された銀行で、政府系金融機関になります。

日本政策金融公庫は、全国に152支店(令和5年3月現在)あり、資金調達に困っている小規模事業者や中小企業を支援しています。

日本政策金融公庫の創業融資で代表的なものは、「新創業融資制度」です。
新たに事業を始める人や、創業して間もない人が無担保・無保証人でお金を借りることができる制度です。

この制度を利用するには、要件に該当する必要があります。
その要件は下記のとおりです。

①新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方
②新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金)を確認できる方

この要件に該当して初めて、融資を申し込むことができます。

資金の使い道はもちろん事業に関するもので、設備資金や運転資金になります。
融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)なので、障がい福祉サービス事業を始めるときには、十分に足りるのではないでしょうか?

日本政策金融公庫の新創業融資制度の詳細は、下記のサイトからご確認ください。

「障がい福祉サービス事業を始めるときには十分に足りる額」とお伝えしましたが、初期費用はどれくらいかかるのでしょうか?

次の章でシミュレーションをしていますので、確認してみてください。

障がい福祉サービス事業の初期費用

今回は、就労継続支援A型事業所を立ち上げる場合の、初期費用のシミュレーションをしたいと思います。

①会社設立費用

障がい福祉サービス事業をするには、法人格が必要です。
別のブログで解説したように、障がい福祉サービス事業をするのにおすすめの法人格は「株式会社」です。

なので、株式会社設立費用25万円を見込みます。

②家賃

障がい福祉サービス事業は、相談室や訓練・作業室、休憩室などを必ず準備しておく必要があります。

熊本県では、面積数の基準はありませんが、他県では利用者1人当たり3.3㎡と決まっているところもあり、熊本県でもこの数字を参考しているようです。
なので、20人定員だと最低でも66㎡の広さは必要です。

さらに、送迎車や利用者・職員の車を駐車するスペースも必要です。
となると、家賃の高い物件しかないケースもありますが、ここでは家賃15万円と見込みます。

初期費用は、この15万円では済みません。
なぜなら、敷金礼金や指定が下りるまでに建物を確保しておく必要があるので、実際に事業がスタートする2,3ヵ月前から契約して家賃を支払い続けることになります。

③内装工事や消防設備

私がサポートをしていて、一番お金が掛かる部分がここだと思います。

A型事業所を行う場合、飲食店など就労内容によって工事をする必要がありますし、障害者総合支援法だけではなくて、建築基準法や消防法にあった建物にしないといけません。

自分たちでは「これくらいの改装で大丈夫だろう」と思っていても、建築基準法や消防法に照らし合わせると、窓の大きさを指摘されたり壁の撤去や消防設備の設置を求められたりします。消防設備に関しては、安価なものから高価なものまで存在します。

ここでは、内装工事と消防設備を合わせて100万円と見込みます。

④備品類

備品関係は、他の企業と同じようなもので、机やイス、棚、電話、パソコン等です。
パソコンは数台必要になるかもしれないので、ここでは50万円と見込みます。

⑤人件費

人件費は、サービス管理責任者兼管理者を25万円とし、職業指導員と生活支援員をそれぞれ15万円とします。

⑥自動車

就労継続支援A型のように、就労系の事業を行う場合は送迎が必要になります。
中古車購入で構いませんので、ここでは100万円と見込みます。

ざっとこれだけで、いくら掛かるのか下記のとおり集計しました。

会社設立費用25万円
家賃75万円(敷金礼金1ヵ月、家賃3ヵ月分)
内装工事と消防設備100万円
備品類50万円
人件費55万円(3人分)
自動車100万円
合計405万円

あくまでもシミュレーションですが、就労継続支援A型を立ち上げるときに必要な金額を出してみました。

まとめ

今回は、障害福祉サービス事業をするための資金調達について解説していきました。
大事なポイントをまとめると、次のとおりです。

・初めて障がい福祉サービス事業を始める方におすすめの資金調達は、「融資」
・日本政策金融公庫の新創業融資制度は、無保証人・無担保で融資を受けることができる
・内装工事や消防設備にお金が掛かる場合がある

融資や、障がい福祉サービス事業の準備は、法の規定も手続きも複雑でなかなか分かりにくいものだと思います。

ご自身で時間を掛けて検討されるよりも、専門家に聞いた方が早いし確実です。
「要件に該当しているかだけでも知りたい」という相談だけでも構いません。

障がい福祉サービス指定申請を検討されている方は、お気軽に当事務所にご相談ください。

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